今日は福島県の幼稚園の卒園アルバムに収録する園児たちの個人写真や先生方の写真、集合写真の撮影だった。
毎回思うことだが、子どもは笑わせるものではない。
普段、見慣れないカメラや照明機材に囲まれて、自然な笑顔を作り出すことは大人でも難しい。
直ぐにできる子どもは、毎回2、3人くらいだ。
できない子どもは、顔が引きつったりと、見ていて可哀想だ。
私は自分の娘が、たとえ笑顔で写ってなくても良いと思っている。
だって子どもだし、自分でも自然な笑顔作りは難しいと思うし。
他の親御さんも同意見だと思うんだけどなぁ。
それに、一般的に多くの人がカメラの前に立つことによって「笑わなきゃ」「顔を作らなきゃ」という気持ちになってしまっているのは、何だか勿体無い。
「笑わなきゃ」「顔を作らなきゃ」という気持ちが、逆に自然体の邪魔をする。
近年の私は、その人の現在の姿だけでなく、現在の心も写真に収めたいのだ。
もちろん撮影者である私も心を込める。
そうすると、写真を見返した時に、よりその時の自分の心境や撮影を思い出せるし、普通に写真を撮る撮られるよりも、2段回ぐらい「良い写真」と思えるはずだ。
あなたは、最近撮った写真の中で、その時を振り返った時に思い出すことができ、更には思い入れのある写真は何枚あるだろうか。
今回の撮影では、先生方の撮影の際に、思いを込めてカメラを見つめてもらった。

▼文章・写真:金藏直樹(音楽家/写真撮影/映像制作)