日曜美術館「坂本龍一×アート 最大規模の展覧会を巡る」を見た。
「時間は存在しない」ということ。
時間という枠組みや1日の仕切り方は人間が作った。
この殺伐とした概念から解放されれば、もっと自由に生きられるような気がした。
茶室に録音機を置く「ここにも音があるはずだ。宇宙の音が」ということ。
耳を澄ませば色々なところに音はある。
我々が意識していないだけだ。
それでは勿体ない。
排水口など普段耳を当てないところにも音はある。それを抽出して、拡張し、曲に使おう。
「自然という最高の音楽があるのに、音楽を作っちゃうんだよね」ということ。
とても分かる。
これが人間である所以。そして人生で行うべきことなのか。
自然音からインスパイヤされて、人間がメロディーやハーモニー、リズムを作るという、元々の創作の原点にもう一度立ち返るのも良いと感じた。
ナビゲーターで、娘の坂本美雨さんが、ホログラム化されて演奏する父親(坂本龍一さん)の演奏の姿を見て涙する姿。
とても涙が出た。
きっと、私が娘を持つ父親だからだろう。
将来、私が亡くなった後、娘が私の映像や音楽を聴いたら美雨さんと同じよう感じるのだろうか。
▼文章・写真:金藏直樹(音楽家/写真撮影/映像制作)