染み渡る日本の名曲


舞台版「泣いた赤鬼(仮)」の劇伴音楽制作進んでおります。

この作品では、誰もが学校などで習ったり、人から教わったりした童謡や唱歌などを歌う場面が多いです。
そのため、本作品では、劇中に登場する童謡や唱歌をアレンジが主になっています。

編曲していて思うことは、

さすが日本の名曲!

ということです。

NHK連続テレビ小説「エール」(通称:朝ドラ)の影響か、最近の私の仕事では、歌い継がれている歴史ある名曲を蘇らせる仕事が増えてきております。

例えば、先に挙げました童謡や唱歌。
加えて校歌や園歌(幼稚園や保育園の歌)、地域に伝わる踊りの曲などのアレンジです。

歌詞や楽譜が残っている場合もあれば、当時録音されたカセットテープ音源だけしかない場合もあります。
その場合は、耳で聴き録り、譜面に起こし、曲が生まれた背景や土地などの歴史を調べて、作り上げていきます。
参考までに、弊社で作成ました下の中谷第二小学校(2015年廃校/福島県石川町)の映像内に流れている曲は、廃校になった校舎でたまたま発見した校歌をアレンジして使いました。

歌い継がれてきて今もなお、知られている曲というのは、情緒豊かで、味わい深く、単純な旋律や伴奏にも関わらず心にジワ〜と染み渡るものがあります。

子どもの頃や20代の頃は、退屈だと感じ、流行曲ばかりに惹かれていたのに不思議です。

結局は日本に生まれたことで、音楽の感覚も遺伝的に染み付いているのだと思います。

「若い」ということは、自分の可能性を悪い意味で過信し、本来の性質を無意識に抑え込んでいる場合があると聞きます。
それが年とともに、自分の我が取れ、本来の性質も出てきて、バランスよく、まろやかになるのだと思います。

今回は、ちょっと精神的な話になってしまいましたが、昔から歌い継がれている歌というものは、確実に自分の精神に結びついているからこそ、懐かしさを感じたり、理由もなく惹かれたりするのだと思います。

そんなことを大切に思いながら、原曲の歴史と作り手に敬意を払い、泣いた赤鬼の音楽制作を進めて参ります。

今回も、最後まで読んでくださりありがとうございました。

この制作日記では、音楽が生み出される過程を綴っています。

芸術作品は残りますが、どのような思いや経緯で作られたかは、忘れ去られていくものです。

ですが、ここに作品が世に出るまでの葛藤した足跡があり、人間臭さがあります。

知った上で作品を見聞きすることで、より深く楽しむことができると思っておりますので、不定期更新ではありますが、長い目でお付き合い頂けると幸いです。

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