今日は、アメリカ人の友人「Cal」のドラムレコーディングをした。
@ミューカルがくと館で。(福島県郡山市)
レコーディングする曲は、彼が10年前に作編曲した4曲。
彼の友人や周りの人たちを思って作った曲で、現在MIDIで作った音源をすべて生音に変えていきたいということだった。
10年前に作った曲を、未だに完成させるために作っているモチベーションが羨ましかった。
(でも、大丈夫!私も去年の秋頃から自分のための曲作りをしているから!)
彼にとって、とても思い入れのある曲なのだろう。
ドラムのレコーディングは初めてだったので、マイキングなど不安もあったがとても喜んでくれた。
海外の方とレコーディングする時に感じることは、レコーディングが早い。
自分の良いテイクが分かっているのか「OK」「もう一回」「プレイバックしなくてもOK、次の曲」と、はっきりしている。
そして、ミスがない。
ほとんどの人が、必ず緊張のため何度かミスをし、それによって身体が温まってきた頃に良いテイクが録れたり、「念の為もう一度REC」と言う。
それがない。9:00〜12:00の間で4曲録れた。
そして、エモーショナルな演奏だった。
彼とレコーディングの後に話したが、今、アメリカは混迷を極めているらしい。
物価が高騰し、貧困層は拡大。
精神を病んでしまう人が増えているが、病院にも行けない状況。
そんな中、現実逃避をするためにドラックに手を出すという。
彼の友達もほとんどそうらしい。
実際、レコーディング中も、彼に友人からの悲痛な連絡があった。
それを聴いて、今回レコーディングした曲の意味と深さを知った。
彼は別れ際に、「私はお酒もタバコも絶対にやらない」と言っていた。
彼の言葉がとても重かった。

▲Cal Meehan
文章・写真:金藏直樹(音楽家/写真撮影/映像制作)▼