音楽は、精神文明(宗教など心の拠り所を求める行為)の誕生と共に生まれ、儀式や呪術に用いられ、人々の精神を活性化させる麻薬的なものであった。
紀元前5000年頃エジプトでは、音楽を「魂の薬」古代ヘブライ人も音楽を使って病を治したと言われております。
古代ギリシャ時代以前までは、音楽は医学や宗教と密接に結びついていたようです。
病は神に対する罪として起こるものとされていたため、病人に宿る悪魔を追い出すために音楽を悪魔祓いのツールとして使用したようです。
現在でも教会の礼拝や儀式的な行事の際に音楽が用いられているのは、このような歴史的背景があるからであります。
驚いたことに、1990年代に生まれたアフガニスタンのタリバン政権においては、公共の場での音楽を徹底的に弾圧し、2021年にタリバンが復権した際には、直ちに有名歌手を殺害するほど、音楽がもたらす精神的影響力を認めている地域や宗教もあるようです。
記録上最古の音楽療法
旧約聖書(サムエル記16章23節)に、紀元前11世紀にユダヤの「サウル王」のうつ状態を和らげるために、ダビデ(イエス・キリストに繋がる系譜)がハープを演奏したと記録されています。
西洋音楽をここまで世界に広げたキリスト教文化の源流を持つダビデが、音楽療法の祖というのは頷けます。
その後、古代ギリシャ時代(紀元前8世紀ごろ)からピタゴラスやプラトンにより、音楽理論(音階や調律の構築も含む)や音楽哲学が始まり、これがクラシック音楽の源流になります。
ルネサンス以降も医学の方が急速に発展を遂げ、音楽は医療と切り離され、「芸術としての音楽」として世界に広まりました。
医療としての音楽再び
第二次世界大戦後、大量の傷病兵を出した米国は野戦病院で心理的外傷性ストレス(PTSD)を負った兵士たちに好きな音楽を聞かせました。
すると多くの兵士が癒されたことから、再び音楽を治療に応用することとなり、近年、認知症や自閉症、うつや身体の痛みなどに効果があるとされ、注目が集まっています。
現代では、「娯楽」として当たり前に聴いている音楽ですが、元々は医療と共に用いられていたものであります。
音楽は「聴く」という行為だけも、私たちのメンタルを癒したり、鼓舞したりしてくれるので、現代でも、陰ながら人々の暮らしには欠かせない大切なものであると感じました。
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