ドイツはなぜ芸術・文化分野へ多額の支援をするのか?

「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ」

新コロナウイルス感染拡大の影響で、ドイツ連邦政府文化メディア担大臣、モニカ・グリュッタース氏が発信した言葉です。

グリュッタース氏は

「即時支援(経費などに当てられる)」に500億ユーロ(約5.92兆円)
「個人の生活の保護(半年間の生活保護審査の緩和、児童手当の利用など)」に100億ユーロ(約1.2兆円)
「法的措置の緩和(家賃や保険料の据え置きなど)」


上記の文化分野への救済策を提案しました。

このような文化に巨額な支援が与えられるのは、ドイツが文化や芸術が重要な産業の一つであるという認識があるからだそうです。

ドイツの芸術・文化と言えば、バッハやベートーヴェンを筆頭に多くの偉大な音楽家を世に出し、クラシック音楽の基盤を根付かせた歴史を見ても、芸術への価値観は高いと思います。

ただ、それだけではないようです。

第二次世界大戦中のナチス政権時代に、独裁による自由のない苦しみを強く経験したことで、制限された自由の先にどのような末路を辿るのか、目の当たりにしてきたからだと言います。

現在の日本の芸術・文化活動の状況からすると、ドイツの支援は羨ましいくらいですが、ドイツには、おそらくキリスト教と結びつき、深い信仰と共にあった芸術・文化活動の歴史と、自由を奪われた悲劇的な歴史を経たことで「芸術・文化は生きていく上での必需品」であるという土壌ができたのだと思います。

日本にとって、芸術・文化の認識が低いと言うのであれば、それは私たち日本の芸術家の至らなさでもあるとも感じました。

この記事を書いた人

金藏 直樹

作編曲家・ピアニスト/映像クリリエイター/フォトグラファー/DNA心理学
貧しい離婚家庭で育ち、独学で音楽活動を始め、今日に至っています。
【主な作品】舞台『鬼切丸伝(主題歌)』ミュージカル「星の王子さま」「銀河鉄道の夜」映画『それぞれのヒーローたち』