今回も、朝ドラ「エール」からです。
(福島県の作曲家である古関裕而氏をモデルとしたNHK連続ドラマ小説)
この曲は、ドラマの劇中で、古山裕一(こやまゆういち)が関内音(せきうちおと)と初めて出会った教会で、音が「いつくしみふかき~♪」と歌っていた曲で、キリスト教の「讃美歌312番」に収められている讃美歌です。
現代では結婚式などで、聖歌隊の方々が歌う定番の曲です。
歌詞
いつくしみ深き 友なるイエスは
罪とが憂いを とり去りたもう
こころの嘆きを 包まず述べて
などかは下ろさぬ 負える重荷を
いつくしみ深き 友なるイエスは
われらの弱きを 知りて憐れむ
悩みかなしみに 沈めるときも
祈りにこたえて 慰めたもう
いつくしみ深き 友なるイエスは
かわらぬ愛もて 導きたもう
世の友われらを 棄て去るときも
祈りにこたえて 労りたまわん
作詞
ジョセフ・スクライヴェン (1819 – 1886)
アイルランド生まれの教員。
クリスチャンで一生を不幸な人や貧しい人への奉仕活動に捧げました。
作曲
チャールズ・コンヴァース(1832年-1918年)
アメリカ合衆国生まれの弁護士。
ドイツの音楽学校で作曲法を専攻し、米国に帰国後、大学の法学部を卒業。
その後、弁護士をしながら作曲活動をしたアマチュアの作曲家です。
楽曲について
英タイトルは、「What A Friend We Have In Jesus」
「讃美歌312番」に収められている賛美歌です。
作詞をしたスクライヴェンは、結婚式前に婚約者を事故と病気で二度も失い、同時期に母親も長い闘病生活をしていました。
母を慰めるためと、自身が絶望の中でもイエスを信頼する気持ちを綴った詩と言われています。
この詩にチャールズ・コンヴァースが作曲をし、1870年にSilver Wings,1870に初めて発表されました。
日本では、賛美歌から文部省唱歌の旋律に転用され、「星の世界」などの名で親しまれています。
讃美歌とは
キリスト教(特にプロテスタント)において、礼拝などで歌われる、神をたたえる歌のことです。
似たもので「聖歌」がありますが、聖歌の方が歴史は古く、カトリック教会などの典礼に用いられ、讃美歌が歌詞を伴わないインスト曲なども含まれるのに対し、歌詞のあるもののみを聖歌と呼ぶようです。
カトリックとプロテスタントは神を大切にしていることは共通していますが、その次に重要なものとして、
カトリックでは「教会」、プロテスタントでは「聖書」
ここに違いがあります。
歌も、
カトリックでは「聖歌」、プロテスタントでは「讃美歌」
という感じです。
実は、聖歌や讃美歌が、現代のR&Bやジャズに繋がっていくのです。
その歴史は、また次回、お届けいたします。